総括と方針
今まで僕が掲げていた治療方針は、鹿児島でお世話になった有川先生および始原東洋医学会のそれだった。ここまで邁進してきて得たものは僕にとっての貴重な財産だ。
修業時代を終えて社会に出たとき、患者は少ないものの、鍼灸往診専門の燕雀はりきゅう治療院として治療にのぞんだ。
ただ、経営のことや、病気以外の患者の生活のことまでは考えがおよんでいなかった。
そのうち家族も増え、収入を安定させたいと思い、往診治療院は副業という形でそのまま残し、実費型の鍼灸治療スタッフとして紫峰の森クリニックに就職した。
ここで「合わないな」と感じのが物販。
鍼灸治療を自由裁量でやれることを前提に勤め始めたので、それ以外の業務は嫌になってしまった。
現在でも物販を扱いたいとは思わない。だが、ブログやホームページをはじめとした広報活動は重要だと思うようになった。
次に就職したのが、同じつくば市の竹園にある、りらく整骨院つくばで、今も週6日で働いている。 こちらは整骨院(接骨院)がメインなので、健康保険での柔整施術が多い。その流れをくんでか、勤務当初は鍼灸でも健康保険適用が大半だった。
誤解を恐れずに申し上げると、健康保険での施術は現代治療家のジレンマだと思う。特に柔道整復師の先生方を見ていると、肌でそう感じる。
現行の医療制度とか、患者からの需要といった理由はあるのかもしれない。
ただ、あまりにもみんなが慣れすぎてしまった。
「不具合が起こったら、何とかしてもらえばいい」
これではなんと言うか、泥縄だ。
実は慢性の肩こり、腰痛のほとんどが、運動不足や姿勢といった体の使い方の不適切によるもので、これは自分自身で生活習慣から 何とか改善するしか治る術はない。こんなことで手術にまでなるなんて、もっともおかしい。
「でも、どんな運動をしたらいいのかわからない」
だからアドバイスできる専門家がいるのだ。
地道にまじめに続けましょう。
自分の体です。
「面倒で、時間が取れなくて、続けられない」
「教わったけど、覚えられなくて」
自分の体に向き合って、そう思ったのなら、自分をあきらめたということ。
もうこのままでいい、という決意表明。
他人にさすったり揉んだりしてもらうのは、心地良ければいいというレクリエーションにしかならない。患者にとっての「本当の利益」とは。
僕はナチュラリゼーションの勉強=練習をはじめて、あらためてそう思うようになった。
自転車にもしっかりうまく安全に乗れるように練習していく。
これらは死ぬまで続けるのだ。
なぜならば、これで得た感覚、体の使い方は、あますところなく始原東洋医学の実践にフィードバックできると感じているからだ。
僕のライフワークである始原東洋医学を、 レクリエーションにしかならない境遇に貶めてはいけない。
まず自分が変わらなければ。
本当に人の役に立てる人間にはなれない。
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